欲望チェリ-止まらない心
「!きゃ…すっすみません!」


橘もびっくりしたようで、体をバッと後ろに下げた。


「いや…別に…」


そう言ったものの…


なんだかおかしな空気が流れてしまった。




なんだこれ、

これじゃまるで…








しかしその時


橘が気恥ずかしさを誤魔化すように口を開いた。

「なな…なんか紅って、いっ…いい匂いがしますよね!」


「は?匂い?!」


俺は思わず聞き返す。


「お前…変態かよ」


「!///」


白けた目を向ける俺に、橘は慌てて手をパタパタさせた。


「ちちち違うもん!紅、もしや香水付けてます?」


「付けてねーよ」


「え~?ほんとかなぁ?絶対なんか匂いしたのに…」


そう言いながら、


橘は俺の肩付近に鼻を近付けてクンクンしてきた。



な…なんだコイツ

マジで変態じゃないよな?






「あ、もしや紅って家で柔軟剤ダウニー使ってます?」


橘はいきなりパッと顔をあげた。


「知るかよ、そんなの」


「絶対ダウニーだ!いいなぁ!大好きなんですよね~…」


橘はまたクンクンと鼻をつけてきた。



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