欲望チェリ-止まらない心
「はは、なんだよそれ」


橘の言葉に思わず笑う。



コイツはバカなのか


それとも天然なのか


そんなの相手に好意があるって言ってるようなもんだろ。


彼氏の親友にそんな事を言うなんて。


「だけど…なんか紅の匂いとは違うんですよね~」


「は?ダウ二ーなんだろ?」


「でもダウ二ーって色んな匂いがあるんですよ?」


そう言うと橘はガタッと立ち、トコトコと俺の横に来た。


「紅の匂いはもっとこう…違うんですよねぇ」


「は?」


そう言うと橘は腰をかがめて、俺に顔を近付けた。


橘の細い髪がふわりと頬をかすめると、ダウ二ーとはまた違う匂いが香る。


「!」


その瞬間、気付くと俺は橘を押し退けていた。


きゃっと小さな声をだして橘がびっくりした目で俺を見る。


そして


「あ…ごめんなさ…ぃ」


真っ赤になった俺をみて橘は謝った。


「勘違いすんなよ」


「は…はい!してません」





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