欲望チェリ-止まらない心
「ひー君、紅茶とジュースどっちがいいかしら?」
「いえ、お構い無く…」
おばさんが部屋から出るのを確認して
俺はそっとベッドサイドに腰をかけた。
久しぶりに入る三咲の部屋。
前に来た時は、キスをせがまれたんだっけ―…
コンコンッ
そこへ、ケーキと紅茶を持ったおばさんがまたやって来た。
「あぁ、すみません…」
頭を下げる俺におばさんはカチャカチャと机にケーキを乗せる。
「ねぇ、ひー君…」
「はい?」
おばさんはお盆を抱えると俺を見た。
「最近あの子、学校でうまくやってるのかしら?」
「え?」
そう言うとおばさんは、視線を落とす。
「携帯も最近ずっと家に起きっぱなしだし…様子がおかしいのよ」
「…………」
「ひー君にしか、こんなこと相談できなくて」
そしておばさんはふっと力なく笑った。
「あの子をよろしくね?」