欲望チェリ-止まらない心
おばさんが部屋から出た後も、俺はしばらく言葉が出なかった。



三咲は全然、そんな素振りすら見せなかったから……


俺は全く気付かなかった。


三咲の様子がおかしい?


いつから?


どのぐらい?



だけどおばさんが俺に思わず漏らすぐらいだ。


それなりに深刻な様子なんだろう。








その時、ふと…




勉強机の上に放置された三咲の携帯が見えた。


携帯は着信でピカピカ光っている。


確かに…なんで携帯を放置しているんだ?


なにか…携帯を見たくない理由でもあるのか?


何気なく外のディスプレイを見ると未受信メールが30を超えていた。


「………!?」


俺は少し驚く。


三咲はあまりメールなんかをする方じゃない。


「…………」


そして俺は三咲の携帯を手に取った。


これがモラルに反した行為だと言うことは、重々承知の上だ。


だけど


三咲が何かを隠していて、

一人でそれを抱えているなら


俺はそれを知りたい。





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