欲望チェリ-止まらない心
――翌朝








あたしが洗顔をしていると玄関にひー君がやって来た。


待ち合わせもしていないのに、突然の訪問にあたしは目を丸くさせる。



「テスト前で朝練がないから、一緒に行こう」


まだ起きたてのあたしにひー君は爽やかな笑顔を向ける。



「ほら、三咲早くトースト食べちゃいなさい!ひー君は上がって待っていてね?」


ひー君のお迎えに、お母さんも嬉しそうにあたしのお尻を叩く。



「急がなくていいよ。俺が早過ぎたよね」


ソファーに案内されたひー君はトーストをかじるあたしに、少し申し訳なさそうにはにかんだ。


そんなひー君にお母さんはアイス珈琲を出す。


「もうすっかり暑いわね」


TVでは梅雨が明け、今日から暑さが本格的になるとの予報がされている。


「本当ですね。」








そして


あたしはひー君に見守られながら、急いで身仕度をしたのだった。







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