欲望チェリ-止まらない心
「今回は、全然テスト勉強みてあげられなかったね」
高校の最寄り駅を降りると、通学路は学生で溢れている。
「だってひー君忙しかったんだもん!そんなに甘えれないよ」
3日後に控えた期末テスト。
緩い坂道に木々からは蝉の鳴き声が朝から響く。
太陽はこんな時間から、もう暑い。
「あと3日しかないけど…俺教えようか?」
「え?でもひー君忙しくないの?」
ひー君のヤマ勘はほぼ必ず当たる。
だから勉強をみてもらえるのは助かるけど…
「大丈夫だよ」
そんなあたしにひー君は少し笑う。
「三咲、もっと俺を頼ってよ」
「え?」
「俺の優先順位…一番は三咲だよ?」
「!」
そう言うと、ひー君はあたしの頭を優しく撫でた。
しかもいつもより
髪に指を絡め甘く撫でるひー君。