欲望チェリ-止まらない心
―――――…








問題を出し合ってしばらくした頃


下敷きをうちわ代わりにしていた優子ちゃんが、机に身を乗り出した。



「三咲ちゃん、もしかして藤ヶ崎先輩とお昼食べてたの?」


萌菜ちゃん達に聞こえないよう気を使ってくれたんだろう。


小さい声で話す、優子ちゃんの長い髪が揺れた。


「う…うんっ。そうだよ」


予定外とはいえ、ひー君と一緒にいたもんね。


あたしの返事に二人は目を輝かせた。


「はぁ~めっちゃいいなぁ///」


「うん、私もリア充した~い」



優子ちゃんと亜季ちゃんには、まだ彼氏がいないらしい。


彼氏がいるというだけで、二人にとっては憧れのようだ。



「ね、もうキスとかしたの?」


二人はそういう経験がないらしい。


興味津々に聞いてくる。


「う、うん…少しね?」


あたしも赤くなりながら、一応答える。


うん、とか言いながら


キスの経験なんて無いに等しいんだけど…



ひー君はいつも優しいから。


頭を撫でたりはしても…


そういうことはあまりしてくれない。


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