欲望チェリ-止まらない心
駅前まで来ると、ファミレスが見えた。


気温は30℃をとっくに越えている。


あたしはピンクのハンドタオルで汗を拭った。


ハンドタオルからはダウニーの香りが香う。


無意識にあたしはそれを吸い込んだ。


――あ、


窓側の席に、紅の後ろ姿が見えた。








ファミレスに着くと


ひー君は、レディファーストであたしを先に入れてくれた。


そして窓側の席に行くと、紅が頬杖をついて待っていた。



「やぁ、お待たせ」


ひー君は、紅の前でさりげなくあたしの手を離す。


「ドリンクバーくらい先に頼めば良かったのに」


そう言いながら、ひー君は紅の向かいの席に座った。


対面式のソファー席で、あたしもひー君の隣に座る。


「や、別にいらねぇし」


紅は機嫌が悪いのか、ひー君の言葉に少し素っ気なく答えた。


「三咲はドリンクバー頼む?」


「あ、うん。じゃあ頼もっかな」


「了解」


ひー君はウェイターを呼ぶと、ドリンクバーを2つ頼んだ。



そして、あたし達は勉強を始めた。




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