欲望チェリ-止まらない心
「三咲、ちょっと休憩しようか」
キリの良いところで、ひー君がドリンクバーからアイスココアを持ってきてくれた。
「あ、ありがとう」
「どういたしまして」
ニコっと微笑むひー君から、あたしはココアを受けとった。
紅はペンを片付けている。
「よく頑張ったね」
ひー君からの誉め言葉にあたしはエヘへと笑いココアを一口飲んだ。
「そういやさ…」
「ん?」
あたしはココアを置いてひー君を見る。
「三咲と紅はずいぶん仲良くなったんだね?」
「……え?」
「さっき、紅って呼んでただろ?」
「!」
あたしはドキッとした。
あ…、そういや…
やっぱり先輩を呼び捨てはまずかったかな?
それに、ひー君以外の男の人を名前で呼ぶのは、これが初めてだったりする。
もしやひー君の勘に障った…?
だけど……
本当は紅って呼んでるのに、ひー君の前でだけ呼ばないなんて
逆に後ろめたい気持ちがあるみたいだよね?
しかし、それも言うのもなんだか言い訳みたいで…
どうしよう