欲望チェリ-止まらない心
店長さんが去っていった。


取り残されたあたしはポカーンと立ち尽くしていた。


え………?

どういうこと?!


こんな場所にひとり残されて、あたしどうすれば良いの?!


そんなあたしに





「てか…お前もこんな所でなにしてんの?」


「え?!」


あたしがこう君に顔を向けると彼はあたしを冷ややかな目で見ていた。


あたしはその視線に少し唾をのむ。


「バ、バイトですけど…?」


ビクつく心を隠すようにあたしはなるべく平常心で答える。


そんなあたしの言葉に彼はさらに目を細めた。


な…なに?


しかし彼は怯えるあたしに苛ついたように、さらに言葉を続ける。



「…女はラクして金稼げていいよな」


…はい?


彼は苛つきを鎮めるように制服のネクタイをグイッとゆるめた。


「…何がいいたいんですか?」


「そのままの意味だろ。まぁ俺ならそんな汚ねぇ金、いらねーけど」


「な…?!」


なに言ってるの?


一方的にけなされて、あたしは口をあんぐりさせた。


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