欲望チェリ-止まらない心
急に二人きりになって、あたしは紅を見た。
だけど紅の態度はいつも以上に無愛想で。
あたしの方を全然見てくれない。
最近、仲良くなれた気がしていただけに…
ちょっとショック。
そんなあたしに
紅は頬杖をついたまま、窓の外を眺めて言った。
「聖はよっぽどあんたが好きなんだな」
「…え?」
「俺、なんか邪魔みてぇ」
「………」
「聖になんか悪いし、もう帰るわ」
「!」
紅はカバンを持つと腰を上げた。
「ま…待って…!」
あたしはそれを止めるように、身を乗り出すと紅の腕を掴んだ。
気付けば…体が勝手に動いていた。
紅が邪魔?
そんなことないよ…!