欲望チェリ-止まらない心
「別にこれからも生徒会は一緒なんだし」


「………」


「イジメのことは俺が聖に言ってやるから」




あ……!


その紅の言葉にあたしは思い出したように顔を上げた。


「あ、あのっ…そういえば…」


「?」


「その件なんですけど…」


そしてあたしは紅に今日の出来事を話した。


イジメや無視が終わったこと


新しい友達が出来たこと


こんなタイミングになってしまったけど…


あたしは今日その事を誰よりも…


ずっと紅に言いたかったんだよ。






あたしの話を聞き終えた紅は、今日初めて小さな笑みを見せた。


「へぇ?良かったじゃん」


「はい…っ!」


紅の笑顔が嬉しくて、あたしもつられてパッと笑う。


「あの…でも今日まであたしが耐えられたのは、紅のおかげで…」


「は?」


「どれだけ心が支えられたか…あの…本当に感謝してます」


あたしの言葉に紅は呆れたようにフッと笑う。


「別になんもしてねぇじゃん」


「そんなことないッ…あたし本当に…!」


そこまで言って、あたしは言葉に詰まった。


そんなことないよ


あたしにとって紅の存在がどれだけ大きかったか…


ねぇ、紅


だからもう…関わらないなんて言わないで…



< 262 / 488 >

この作品をシェア

pagetop