欲望チェリ-止まらない心
「てかさ、藤ヶ崎先輩のオーラ半端なかったんだけど…!」
夏休みが始まって一週間。
ポテチを片手にそう語るのは、優子ちゃん。
今日は優子ちゃん、亜季ちゃんと遊んでいる。
場所は優子ちゃんの家で緑地公園横の高層マンションの上層階。
久しぶりに会った二人は陸上部でこんがり焼けていた。
「ほんと完璧だよあの人は…!笑顔がヤバすぎっ」
終業式の日にひー君の前でテンパッていた優子ちゃんは
すっかりひー君のファンになっていた。
「確かに、藤ヶ崎先輩って有名だったけど…あんな風に間近で見たのは初めてだったよね」
亜季ちゃんも、うんうん頷いている。
「藤ヶ崎先輩って三咲ちゃんの前だとやっぱり雰囲気違うの?」
話をふられ、プリッツを食べていたあたしは手を止めた。