欲望チェリ-止まらない心
「え……?こ…う?」




う、うそ……


な…なんで?




あたしは目をぱちくりさせて、固まった。



「お前…こんな所で一人なにしてんの?聖は?」


「え、あ、や…あの」






こここ、紅?


本物の紅…?


ドキン ドキン


予期せぬ紅の登場に


あたしは完全に舞い上がってしまっていた。



暑いのか、紅は頭にタオルをまいていて


黒地のシャツにジーンズにサンダルというラフな姿だった。


制服とは違うその姿に
胸がきゅうとなる。



「紅がいる…」


「は?」


「ほほ本物…だよね?」


「………」


あたしの発言に、紅は呆れたような顔をする。


「何?本物じゃなきゃなんなんだよ」


「!///」


そりゃそうだよね。


あたしは赤くなる顔をパタパタさせる。


「こ、紅も花火見に来たんですか?」


「や、ダチが出店やっててその手伝い」


「へぇー」


何の出店だろう。


あたしはなぜか、紅がたこ焼きを回している姿を想像した。


か、カッコいいかも…




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