欲望チェリ-止まらない心




体育館に行くと、すでにすごいギャラリーがいた。



2階の観客スペースはもう隙間がない。


それでも溢れた観客は


開けられた数ヶ所の体育館ドアの外から中を覗くしかなかった。


「うげ~なにこのギャラリーの数!」


優子ちゃんが舌を出す。


「もう外から覗くしかないかなぁ」


あたし達は諦めぎみに辺りを見渡していた。





その時



「あれ?三咲ちゃん」


生徒会 書記の優花先輩があたしを見付けてくれた。


「優花先輩!」


「あらら?外から藤ヶ崎くんの応援?」


「あ…はい。凄いギャラリーで…来るのが遅かったみたいです」


あたしの言葉に優花先輩は頷く。


「今から決勝戦だからね。藤ヶ崎くんが出るし仕方ないよ」


「!」


やっぱりひー君勝ってたんだ!


ギャラリーの数が、ここまでのひー君の活躍を物語っているようだった。


< 318 / 488 >

この作品をシェア

pagetop