欲望チェリ-止まらない心
「私今から体育館に入るんだけど三咲ちゃん達も中においでよ」


「えぇ!?でも体育館には試合クラスの生徒しか…」


「大丈夫♪おいで」


優花先輩はふわりと笑うとあたしの手を引いた。


あたしと亜季ちゃんは戸惑いながらも付いていく。


しかし優子ちゃんだけは

「やった~、ラッキー!」

と無邪気に喜んでいた。







優花先輩に案内されたのは体育館の壁際。


特設ベンチ席の真横だった。


まさに試合が間近で見れる
特等席。


周りが先輩ばかりであたしは完全に萎縮していた。


あ、あたしここにいて、本当にいいの?!


ベンチには控えの選手が座り、


今から試合に出る先輩たちは、ゼッケンを身に付けウォーミングアップをしていた。


その中にひー君の姿を見付ける。





「藤ヶ崎くん!」


優花先輩が声を出すと、ひー君が振り向いた。


その瞬間、ひー君とあたしは目が合う。


「三咲!来てくれたんだ」


嬉しそうな笑顔を見せて、ひー君が駆け寄って来た。


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