欲望チェリ-止まらない心
紅のチームを率いる統率力は、見事だった。


ひー君頼みの白チームとは対象的に


紅のチームはドリブルとパスの絶妙なチームプレイでゴールに近づき


インサイドへのパスからレイアップシュートで点差を追い上げていった。


ひー君が孤高のカリスマなら…

紅はリーダーシップを率いる先導者だ。




「キャアアア!!!」


どんどん縮まる点差に会場内も白熱する。



試合の注目は、やはりひー君と紅のプレーだった。


ほぼ互角の技術で


対称的なプレイをする二人がぶつかる度に、より大きな歓声があがる。



ボール出しからのひー君の速攻プレー。


味方は全てマンツーマンでマークされ、ひー君は誰にもパスすることが出来ない。


そんなひー君をマークしているのが紅。



「ッ」


紅のディフェンスが手強く、ドリブルでは抜けないと悟ったひー君は


ロール技を使って紅を抜いた。



「キャアアア!!!」



鮮やかなそのプレイに歓声がわく。


ひー君はロール技からスナップを効かせてワンハンドでの3ポイントを打った。



ドッッ!!


会場内から割れんばかりの観戦があがり


ひー君は味方とハイタッチをした。



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