欲望チェリ-止まらない心
残り60秒……
ひー君の3ポイントが決まり、また1点リードされる紅のチーム。
「まだ諦めんなッ!!」
紅は味方のボールを受け取と、そのまま一気にゴールへ向かってドリブルで走った。
ダンダンダンダンッ!
残り50秒
それを全力で追うひー君…
この時間に、まだ速攻で勝負する紅とひー君は凄い。
なぜならば…
この2人以外の選手は体力の限界で、すでに流れについていけていなかったから。
残り30秒…
両チームのキャプテン、そして会場の誰もが
ひー君と紅はきっと
このシュートが最後だと思った。
ひー君と紅の夢のマンツーマン対決。
紅は低くドリブルし、カットされないよう速く、そして慎重に攻めていく。
残り20秒…
3ポイントの台形に差し掛かったとき、紅はシュートをしようとした。
紅……紅……!
「紅――――――ッ!」
気付くとあたしは歓声にまじり紅に向かって叫んでいた。