欲望チェリ-止まらない心
先生はキィ、と椅子から立ち上がるとファイルを小脇にはさむ。


「でもちょうど良かったわ。私今から少し席を外さなきゃいけないの」


「え?」


「あなた、少しここに居てくれる?」


 !


「も…もちろんです!」


そんなあたしに、先生は優しく微笑む。


「もうしばらくしたら、送迎の先生が来てくれるはずだから。それまでよろしくね?」




ガラガラ…パタン




そして保健室には、あたしと紅だけになった。







シ――――…ン




ドキドキドキドキ…


あたしは静かにベッドに近寄ると、そっとカーテンをめくった。


隙間からは横向きに丸まって寝ている紅が見える。


体操服のまま熟睡している紅。


紅……


あたしは近くにあるパイプイスを静かに隣に置いて座った。


すぅ…すぅ…


紅の寝息が聞こえる。


紅の寝顔に胸がきゅ、と甘く締め付けられる。


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