欲望チェリ-止まらない心
「紅……お疲れさま」
あたしは紅の寝顔にそっと呟いた。
ねぇ、紅。
紅はいつも素敵だけど
今日の紅は本当にすごくかっこ良かったよ。
たくさんの女の子が紅を見てて
あたし……すごく不安になったんだ。
ねぇ、紅。
切なくて苦しくて愛しくて…
紅を見ているだけで涙がでちゃうんだよ?
ねぇ、紅……。
この気持ちを伝えちゃダメですか?
あたしは紅の寝顔にそっと近づく。
少し汗の混じった、紅の匂い。
せめて寝顔のあなたに言わせて?
「紅………す き…」
小さな声が、静かすぎる保健室に響く。
紅が、好き
紅が、大好きです。
「す き……」
――ポタッ
紅の頬にあたしの涙が落ちる。
ポタ ポタッ
やっやだ、いけない!
あたしは傍にあったティッシュで慌ててその頬に触れようとした。
しかし―――…