欲望チェリ-止まらない心
「三咲ちゃん…大丈夫?」
あたしの顔が真っ青だったんだろう。
優子ちゃんたちのお箸も止まる。
だけどそんな優子ちゃんたちの言葉に、笑顔を返す気力も出なかった…
午後からの授業は全く頭に入って来なかった。
どうしよう…
頭の中はそれだけで。
仮病してしまおうか、なんて卑怯な手まで何度も考えた。
だけど、それをする勇気すらもなくて。
そして何も出来ないまま…
あっという間に放課後。
こんな時ほど時間の流れは恐ろしいほど早くて。
神様はあたしに少しの猶予も与えてくれない。
1Aの空き教室に向かう廊下を歩きながら
あたしは不安に押し潰されそうだった。
まるで今から処刑されるような気分…。
文化祭実行委員も含んだ集まりだから人数はかなり多い。
それだけが唯一の救いだった。