欲望チェリ-止まらない心
ガラガラ…



1Aの教室には、すでに数人の実行委員が来ていた。



キョロキョロ…


まだ、ひー君と紅の姿はない。


あたしは思わずホッとした。


適当な席についたあたしは意味もなくカバンの中を整理したりしていた。


そうでもしなきゃ、心がもたなくて…


ガラッとドアが開くたびに跳び跳ねる心臓。


もう…嫌だ。


疲れた…









しばらくして役員がほぼ集まり終えた頃



ガラッとドアが開き


紅とひー君が続けざまにやって来た。



――ビクッ


二人の姿を見た瞬間、それまでで一番大きく心臓が跳ねる。


あたしは顔をバッと下に向けた。






「全員集まってますか?」



いつもと変わらない、ひー君の穏やかな声が教室に響く。


メンバーは全員集まっているようだ。



「じゃあ始めようか」



そしてひー君の声と共に、議論が始まった。




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