欲望チェリ-止まらない心
その雰囲気にあたしがまったりしていると


隣で萌菜ちゃんがカバンの中からポーチを取り出した。


そして手鏡を前にメイク直しを始める萌菜ちゃん。


萌菜ちゃんはマスカラを縦に持ち変えると、下まつげにも器用にマスカラを塗った。


わぁ…

きっと本当にひー君に憧れてるんだなぁ


萌菜ちゃんは普段から、ナチュラルメイクをしているけど


こんなに気合いの入った萌菜ちゃんは初めて見た。


そんな萌菜ちゃんをあたしがポカンと見つめていると


「三咲もリップぐらいぬればいいのに」


ふいに萌菜ちゃんがあたしを見た。


「え?でもあたし、リップクリームしか持ってないし…」


「え~そんなの貸してあげるよ!メイクしたらもっと可愛くなるよ?あ!てか、あたしがやってあげる~」


萌菜ちゃんはニコッと笑うと、赤いリップをあたしの唇に塗り始めた。





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