欲望チェリ-止まらない心
「聖…ケホッ…やめろっ」


「黙れ!」


「誤解だ…!」


「誤解?何が誤解だ?笑わせるなよ!」





今にも殴りかかりそうなひー君の背中に…


あたしは顔面蒼白でガタガタと震えていた。







「全部気付いてんだよ!生徒会室でのお前の行為も!」




ひー君の声が体育館に響き渡る。




「同じ香りをさせてることも、俺が気付いてないとでも思ってたのかよ!」







!!


あたしは震える手で口を押さえた。


そうだ……


あたし、紅と同じ香りを…


















「なんでだよ……」









ひー君のかすれた声が響く。




スポットライトで照らされた舞台上で


その肩は小さく震えていた。







「俺はこんなに…好きなのに」





いつの間にか静かになった体育館に、ひー君の声がポツリと落ちる。








「なんで俺じゃないんだよ…」










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