欲望チェリ-止まらない心
―――コンコン





ひー君の部屋の前。


何度か軽くノックしても返事はなかった。






「…ひー君、入っていいかな?」


ガチャ…、と遠慮がちにドアをあけると


シ―ンとした部屋で、ひー君は静かに眠っていた。


あたしはひー君を起こさないようにゆっくりとベッド横に移動する。


ひー君は瞳を閉じたままベッドの中。


熱のせいか、いつもより赤みのある頬。


いつもサラサラの黒髪はさっきまで高熱でうなされていた事を物語るように


少し汗で濡れていた。




あたしはひー君の寝顔を見つめながら


子どもにやるようにその頭を優しく撫でた。





ごめんね…

ひー君。


こんなになるまで、追いつめてしまって――…





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