欲望チェリ-止まらない心
それからしばらくして


ガラガラ、と戸が開く音がしてひー君がやって来た。


「あっ、ひー君!こっちだよ」


あたし達を見つけたひー君は右手を軽くあげて爽やかに微笑んだ。


まぶしい笑顔にこぼれる白い歯。


あたしと萌菜ちゃんは一瞬でひー君に釘付けになる。


「ゴメンね、遅くなって。」


剣道部の大きな荷物を持ったひー君は、急いできたのか少し髪が濡れていた。


「ここに座ればいいの?」


ひー君は床に荷物を置くと、空いているあたしと萌菜ちゃんの間に座った。



腰を下ろす瞬間、ひー君から、ほんのり爽やかないい匂いがした。


「こ、こちらこそ…今日はありがとうございますぅ」


萌菜ちゃんは感激しているのか肩をすぼめて頬がピンクに染まっていた。


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