欲望チェリ-止まらない心
暗闇の公園の遊具に、5人で腰をかけながら


背の高い電灯があたし達を白く照らし出す。


いつもとはちょっと違う、いけない高校生の雰囲気に胸が高鳴る。


「橘さんも飲みなよ?みんな共犯にならなきゃ」


「ええ~…」


軽く酔った灘くんに、チューハイを手渡された。


しかし、横からひー君の手が伸びる。


「三咲は飲んじゃダメ」


「聖さん、厳しいっね~」


「当たり前だろ。瑛太も優花も、もう飲むな」


子どもを叱るように忙しいひー君に対して


それを小さく笑いながら、紅は知らん顔で缶を飲んでいる。


「おい、紅。まさかお前まで飲んでないよな?」


「まさか。俺チューハイとか炭酸ニガテだし」




ドク…ン


“炭酸ニガテだし”のフレーズにあたしの耳が過剰に反応する。




「まあ…紅はそうだよな」


「ん」


紅は飲んでいる缶をひー君に向けた。


それはピーチ味のなっちゃんで


「あはは、なに紅がピーチとか似合わな~い」


「…うっさい」


笑う優花先輩に紅はそっぽ向いた。




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