欲望チェリ-止まらない心
「あ、ごめん。ちょっと電話だ」


ひー君は携帯片手に席を外した。


その隙に、優花先輩が空いたあたしの隣にやってくる。


いつもより赤い顔の優花先輩はあたしの顔を覗きこんできた。



「で、三咲ちゃ―ん。噂の真相はどうなのよ?」


「え…?」


「あぁそれ。俺も気になってたんスよね」


酔った優花先輩に、灘くんまで便乗してくる。


「同じ生徒会メンバーだから聞きにくかったんですけど。この際、最後だし教えてくださいよ」


上級生の紅に絡む灘くんは、見た目よりもずっと酔ってるのかもしれない。


そんな灘くんを睨む紅。


「お前ら酔いすぎ」


紅は灘くんのほっぺたをブニと引っ張った。


「い…いたひっすよ」


「はは。酔いも冷めるだろ?」


いたずらに笑う紅に、あたしは一人ドキッとする。




ダメ……ダメだよ。


なにをときめいてるの?





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