欲望チェリ-止まらない心
「コイツは俺が送ってくわ」



打上げが終わり、21時の駅前通り


帰宅途中のサラリーマン達が行き交う道端で


優花先輩に肩を貸しながら紅が言った。


「あぁ、悪いな紅。頼むよ」


「おう。またな」



改札に去っていく紅と優花先輩。


その背中を見つめながら、あたしは複雑な気持ちになっていた。



あたし…。


優花先輩を心配しながら同時に


紅に介抱されてる優花先輩に、やきもちを妬いてる。


胸が…苦しいよ。







「三咲、俺たちも帰ろうか」


「…うん」


だけど、そんな気持ちは感じちゃいけない。


あたしの好きな人は、ひー君。


ひー君なんだから…。









二人きりの帰り道


あたしは自分に言い聞かせるように、ひー君の手をギュッと握った。





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