欲望チェリ-止まらない心
あたし達は近くにある植物公園までやってきた。


木々にはLEDが配色されていて、


今はまだ昼だけど、夜にはきっと綺麗なイルミネーションが点灯されるんだろうな。


「夜は綺麗なんだろうね」


同じことを思ったのか、ひー君が言った。


紺色のダッフルコートを羽織ったひー君は、公園を散策するだけで絵になる。



「三咲、今日のワンピース新しいよね?」


「え?」


「三咲、可愛いよ」


「…!」


優しく微笑むひー君に、あたしは思わず赤くなる。


うん…。


今日のために新調したニットのワンピース。


ひー君気付いてくれたんだ…


あたしはひー君の腕に手を伸ばした。


「ひー君、手つなご?」


「………」


ひー君はポケットに入れていた手をあたしに差し出してくれる。


そしてあたし達は、ゆっくりと公園を散歩した。





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