欲望チェリ-止まらない心
途中、カフェに寄ったりしたせいか


公園から帰ってくる頃にはかなり時間が経っていた。


冬の日没は早く、まだ4時だというのに空はもう薄暗い。





「時間が遅くなるけど…映画どうする?」


あたしの門限を気遣ってくれるひー君。


「あたしは遅くなるって伝えてあるから大丈夫だけど。…ひー君は大丈夫?」


帰ってきた時に、おばさんの姿はまだなかった。


「俺は平気だけど」


「じゃあ映画、見たいな?」


「ん、OK」


あたしの言葉に、ひー君は映画をセットした。


そしてあたし達は2本目の映画を見始めた。












――――――…
―――…



真っ暗な部屋で、TV画面に照らされながら


あたしはクッションを抱えたまま固まっていた。






だって…



『あ……あん』



………。


2本目の、あたしが選んだラブストーリーは大人向きのものだった。


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