欲望チェリ-止まらない心
ひー君はそのままあたしに背を向けてDVDをケースに戻した。


「もう帰る?送るけど」


「…………」


「って、まだ6時か。暗いからもっと遅く感じるね」


声は優しいのに、その背中はどこか寂しく見えて。



ねぇ、ひー君。


あたし、気付いてるよ?



もうずっと、ひー君からあたしに触れてこなくなったことに。


キスはもちろん、手すらひー君からは繋いでこなくなったことに…











そうさせたのは、あたしじゃん。


















あたしはひー君の背中にゆっくりと抱きついた。



「ひー君…すき」


ひー君の背中からは、鼓動が聞こえる。



「ひー君、お誕生日おめでとう」


あたしはそのまま姿勢を変えると、その唇にキスをした。





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