欲望チェリ-止まらない心
あたしのキスにひー君は固まった。


「三咲…っ…ん…」


咄嗟にあたしから唇を離そうとするひー君。


だけどあたしはキスを続けた。



ひー君から自信を奪ってしまったのは、あたし。


なら……


ひー君に自信を与えられるのもきっとあたしだから。


見えない心の傷を癒すのは、きっと簡単なことじゃない。


だからこそ、あたしが迷ってちゃ駄目なんだ…!









押し付けるだけの唇をついばむキスに変えて


あたしはひー君の唇を柔らかく包み込んだ。





ひー君…大丈夫だよ。




今まではずっとひー君がリードしてくれていた。


だからこれからは、あたしが頑張るよ。





さっき見た映画のキスを思い出しながら…


あたしは必死にリードした。


薄暗い部屋の中で、TVだけがあたし達を照らしだしていた―――…





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