欲望チェリ-止まらない心
―――2月









卒業式をいよいよ一ヶ月後に控え、当日のスケジュールが明らかになってきた。



まず卒業式に出るのは2年と3年だが


当日の朝、卒業生の胸に花を付けるのは1年生の役目。


式の後に体育館の外に出てくる卒業生に花道を作るのも1年生の役目だった。


今日はHRを利用して卒業生の胸に付ける造花を作った。


ひー君や紅がいよいよ卒業する…


その事実が現実味を帯びて、焦りがあたしを追い詰めた。





このままでいいのか

なにが最善なのか



答えも出ないまま…



卒業したら、この迷いはきっとさらに迷宮入りする。









そして何より


紅とはアドレスの交換すらしていないから…


もう今のように簡単に会う事は出来なくなる。




それが悲しくて仕方なかった。





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