欲望チェリ-止まらない心
「こんなに広い宇宙を見てるとさ」


「…うん」


「自分の小ささが嫌になる」


「………」


ただでさえ暗い視界が、涙で滲む。







「それでも俺は…三咲が好きなんだ」


「……ひー君」


「……………」


ひー君は足を止めると、あたしを抱き寄せた。



「俺は三咲に無理してほしくないんだ…」


ひー君の腕に力がこもる。


「ただ…笑っていて欲しい。前みたいに……」










暗い夜に迷子のようなあたし達。


きらめく無数の星たちが切ない恋模様を照らし出していた。





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