欲望チェリ-止まらない心
ひー君を乗せた飛行機が滑走路を走り出す。


重い足は地面に吸い付いたように動かない。







空港内を人々が忙しく行き交う中…


まるであたしの時間だけが止まったようだった。






手足に血液が回らず、感覚が消えていく。









真っ直ぐな滑走路から離陸した飛行機は、そのまま青い空へ飛び立った。


その影が小さくなり、ついに雲の向こうに消えて行く。






もう…

どんなに手を伸ばしても届くことはない。





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