欲望チェリ-止まらない心
「ごめん…三咲の言ってること…さっぱりわからないんだけど……」


「………」


「紅は?」


俺は辺りを見渡した。


三咲一人で、こんなところまで来れるはずがない。


「紅もいるんだろ?」


二人で俺に同情しに来たのか?


そう思うと、俺は苛立たしい気持ちになった。


同情とか中途半端な優しさなら…もうウンザリだった。


さんざん期待を裏切られてもうわかってるだろ?


期待をするな

また傷付くぞ



俺の中の警戒信号が鳴り響き、必死に自分を守ろうとしている。


三咲が幸せならそれでいい。

そうやって無理やり諦めたんだ。





頼むから…もう傷に触れないで。




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