欲望チェリ-止まらない心
「まさか…本当に…一人で来たの?」
「………」
俺の問いに、三咲は震えながら頷いた。
そんな…
海外旅行にも行ったことのない、パスポートも持っていなかった三咲が…
「な…にやってるんだよ」
「……え?」
「あ…危ないだろ!」
「………」
ポカンとする三咲に、俺はもどかしさをぶつけた。
「俺は…三咲がそんなに馬鹿だとは思わなかった」
「…だ…だって…」
「だってじゃない…!ここの治安はそんなに悪くないとはいえ…日本とは全然違うんだよ?」
「っ………」
「本当に…なに考えてるんだよ!」
世間知らずな三咲の無謀すぎる行動に、俺は初めて三咲を怒った。
三咲のことが大切だから…
俺なんかの為に、もしも三咲に何かあったら…