欲望チェリ-止まらない心
「本当は…俺だって…すごく逢いたかった…」


「ひー君…」


「こんな風に…三咲を抱きしめたかった」






俺は三咲の存在を確かめるように…もう一度強く、三咲を抱きしめた。





「もう…離さない」


「…ひー…くん」


「俺以外の誰も…見ないでよ」


「…うん」



三咲を抱きしめながら、俺は優しくその頭を撫でた。


「ごめ…んね。あたし…」


よく見ると

三咲の胸元には俺が卒業式にあげた第二ボタンが付けられていた。



「もう良いよ。…三咲がいればそれだけで」


俺は三咲をそっと離すと、降参するように小さく微笑んだ。









昼下がりの青い空


そこには見えないけれど、いつでも満天の星空が広がっている。





その一つ一つに見守られながら…

俺と三咲は優しいキスをした。
















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