欲望チェリ-止まらない心
「ひー君が来てくれると食卓が華やぐわねぇ」
夕飯を食べながら、お母さんが言う。
「いつも三咲と二人きりだから嬉しいわ!どんどん食べてね」
あたしには兄弟がいない。
お父さんもいつも仕事で遅いから、夕飯はだいたいお母さんと二人きり。
「も~お母さん!いくらひー君が男の子でも、そんなに食べれないよ~」
ひー君は既にご飯を一回おかわりしてくれている。
「そう?じゃあ食後の珈琲を淹れるわね?」
キッチンに向かうお母さんを見て、あたしはひー君にこっそり言う。
「ごめんね…お腹苦しくない?」
うちのお母さん、ひー君大好きだから…
ひー君はお箸を揃えると微笑んだ。
「お腹空いてたし全然大丈夫。まだあと一回ぐらいおかわり出来たよ」
「え~?!ほんと?」
「ほんと」
ひー君は本当に、余裕そうに姿勢よく座っている。
やっぱり男の子ってすごいなぁ
そんな小さな発見に、あたしの胸はちょっぴりときめいた。