欲望チェリ-止まらない心
「三咲なに飲む~?」
薄暗い照明のカラオケBOX。
愛華ちゃんが受話器片手に聞いてきた。
わりと綺麗で広い部屋が嬉しい。
「あ、あたしはオレンジジュース」
「萌菜はココアで希美はコーラだよね?」
「「イェース♪」」
高校生になってから初めてくるカラオケ。
中学生の頃にも、ひー君と家族ぐるみで来たことがあったなぁ。
「最初はやっぱ來未たんでノリ系っしょ」
希美ちゃんが手慣れた感じで、機械を操作する。
その時
ガチャッと音がしてドアが開いた。
あれ?ドリンクが来たの?
あたしは何気なくドアを見た。
しかし、入って来たのは見知らぬ男子3人だった。
―――え?!
「あ、タケぴょんだ~」
希美ちゃんの声が1オクターブ上がる。
「よぉ」
タケぴょんと呼ばれたヤンキー風の男子は当然のように希美ちゃんの隣に座った。
他の男子もそれぞれ座る。
あたしの隣には、優しい系の男の子が座った。