欲望チェリ-止まらない心
完璧なカレシ
―――5月
高校の廊下を春の爽やかな風がすり抜ける。
「お~い、橘!これも頼む!」
――え?
ずっしりと資料を抱えて廊下を歩くあたしの背中から、先生の声が追いかけてきた。
「資料室に運ぶついでに、これも頼むわ!」
そう言って先生は
両手のふさがるあたしの代わりに、数冊のノートを資料の上に重ねてくれた。
もはやあたしの視界はゼロに等しい。
ちょ、ちょっとぉ…
資料の重みで両手がプルプル震える。
だけど先生は
「橘がいると助かるよ!」
な―んて笑顔で言うと、そのまま去って行ってしまった。
ポツンと廊下に取り残されるあたし。
いくら学級委員長だからって…
あたし先生のパシリじゃないんですけど~!?
なんて毒づきながらも、あたしも内心嫌じゃなかったりする。
だからきっとダメなんだよね。
高校の廊下を春の爽やかな風がすり抜ける。
「お~い、橘!これも頼む!」
――え?
ずっしりと資料を抱えて廊下を歩くあたしの背中から、先生の声が追いかけてきた。
「資料室に運ぶついでに、これも頼むわ!」
そう言って先生は
両手のふさがるあたしの代わりに、数冊のノートを資料の上に重ねてくれた。
もはやあたしの視界はゼロに等しい。
ちょ、ちょっとぉ…
資料の重みで両手がプルプル震える。
だけど先生は
「橘がいると助かるよ!」
な―んて笑顔で言うと、そのまま去って行ってしまった。
ポツンと廊下に取り残されるあたし。
いくら学級委員長だからって…
あたし先生のパシリじゃないんですけど~!?
なんて毒づきながらも、あたしも内心嫌じゃなかったりする。
だからきっとダメなんだよね。