欲望チェリ-止まらない心


「正直に言うけどさ?三咲の変にマジメなとこ苦手なんだよね。」







――――え?



愛華ちゃんの言葉にギクリとする。




「二股の経験くらい積めなきゃ女は育たね~よ」



希美ちゃんも言う。




「えぇ…?でもそんな…」


萌菜ちゃんに助けを求めるも、萌菜ちゃんは無言でお弁当を食べていた。



「っ………」



あたしは肩を小さくする。





「だけどあたしには…ひー君が…」












その時―――…




「三咲」


廊下から名前を呼ばれた。


「え?」


あたしが振り返ると、教室のドアのところにひー君が立っていた。


「あっ、ひー君!」


あたしは慌てて席を立つとひー君に走り寄る。


廊下で待つひー君は笑顔であたしを迎えてくれた。


「ごめんね、お昼を中断させて」


ひー君の優しい雰囲気にあたしは癒される。


「ううん!全然平気だよ」


むしろ今は少し助かったというか…


なんだか微妙な空気になっていたから…




< 74 / 488 >

この作品をシェア

pagetop