欲望チェリ-止まらない心
「正直に言うけどさ?三咲の変にマジメなとこ苦手なんだよね。」
――――え?
愛華ちゃんの言葉にギクリとする。
「二股の経験くらい積めなきゃ女は育たね~よ」
希美ちゃんも言う。
「えぇ…?でもそんな…」
萌菜ちゃんに助けを求めるも、萌菜ちゃんは無言でお弁当を食べていた。
「っ………」
あたしは肩を小さくする。
「だけどあたしには…ひー君が…」
その時―――…
「三咲」
廊下から名前を呼ばれた。
「え?」
あたしが振り返ると、教室のドアのところにひー君が立っていた。
「あっ、ひー君!」
あたしは慌てて席を立つとひー君に走り寄る。
廊下で待つひー君は笑顔であたしを迎えてくれた。
「ごめんね、お昼を中断させて」
ひー君の優しい雰囲気にあたしは癒される。
「ううん!全然平気だよ」
むしろ今は少し助かったというか…
なんだか微妙な空気になっていたから…