欲望チェリ-止まらない心
「……………」


ひー君が去り、あたしは少し重い足取りで教室に戻る。


すると、さっきまでの空気はまた一変していて


いつもの明るい笑顔の萌奈ちゃんがあたしを見た。


「おかえり三咲~!ひー君なにか用事だったの~?」


「あ…う、うん。ちょっとね」


あたしはひー君からもらった用紙を握りしめる。


なんとなく…言いづらくてあたしは適当に言葉を濁した。


どうせ生徒会に入ることなんてすぐバレるのに。


だけど、言ってまた嫌な目で見られるのが怖かった。


「ふぅ~ん?あ、あと放課後にみんなでプリクラ撮りに行かない?って話してたんだけど」


「あ、ごめん!今日は放課後はちょっと…」


断るあたしに萌菜ちゃんは残念な顔をする。


「え~?どうしても無理ぃ?」


「う、うん…今日は…」


「もしかしてひー君?」


「う…うん…」


なんでこんなに気まずいのか、自分でも不思議なくらい


あたしは小さく頷いた。


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