欲望チェリ-止まらない心
「三咲」


教室の入口から声がした。


名簿から顔をあげると、そこにはひー君が立っている。


「ひー君っ」


ガタッとあたしは勢いよく立ちひー君に駆け寄る。


「待たせてごめんね。HRが長引いてて」


「ううんっ全然平気だよ!ひー君こそお疲れさま」


ニコッと笑うあたしにひー君も小さく微笑むと


あたしの頭を優しく撫でた。


「その笑顔があれば、すぐに生徒会にも打ち解けるよ」


「え?」


「三咲には俺もついてる。サポートするから安心してね」


「っ……」


さりげなくあたしの緊張をほぐしてくれるひー君は、やっぱり完璧だ。



「う、うん…ありがと///」


「ん。じゃあ、行こうか」


こうして、あたしとひー君は生徒会室に向かって歩き出した。








< 79 / 488 >

この作品をシェア

pagetop