欲望チェリ-止まらない心
「よし、みんなお疲れ様。今日は終わろうか」
約1時間の会議が終わり、ひー君の合図でみんなそれぞれに席を立つ。
あたしがひー君を見ると、ひー君はあたしの耳元にそっと顔を近付けた。
「俺は少し整理があるから三咲は待っててくれる?」
「!!うんっ」
ひー君に三咲と呼ばれて思わず顔がほころぶ。
そんなあたしにひー君もにっこり笑ってくれた。
よし!
じゃあひー君の邪魔にならないよう、あたしは廊下で待っておこう!
あたしはかばんを掴むと廊下に出た。
「おい、あんた」
ギクッ
廊下に出るなり後ろから声をかけられる。
………この声は。
あたしが振り向くと
そこにはあたしを待ち構えていたのか、壁にもたれた矢嶌紅が立っていた。