欲望チェリ-止まらない心
それからしばらくして




―――ガラッ


「三咲、お待たせ」


扉が開く音と共にひー君の声がする。



「っ………!」


「ん?どうし…」



あたしはひー君の声を遮ってその胸に飛び込んだ。


「わッ……!!?」


その勢いでひー君は2、3歩後ろによろけ、あたし達は生徒会室の中に戻る形になる。


「え?三咲??」


薄暗い生徒会室で、あたしに抱きつかれたままひー君は驚いていた。


「ひー君……」


ひー君の胸のあたたかさにホッとする。


ひー君のにおい

ひー君の体温


その全てがあたしを安心させて我慢していた涙と気持ちが溢れそうになる。












「ひー君…あたし…」


「ん?」


「本当に…生徒会に入るべき?」


やっとそれだけ言うと、あたしはさらにひー君の胸に顔を押し付けた。



涙、出るな……


泣いてる顔を見せて、ひー君を困らせたくないよ…



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