欲望チェリ-止まらない心
……ダメダメ!


せっかく入れた気合いが早くも逃げそうになってる。


あたしは気合いを入れ直して、上履きに履き替えた。


暗い気持ちは顔に出る。


明るく元気にいこう!


教室の前でひとつ呼吸をするとあたしはガラッと扉をあけた。




「おはよう!」








だけど


……あれ?


教室には半分くらい生徒がいるのに、誰もあたしの声には気付かなかったらしい。


誰もあたしを見ない。



「………///」


こういう時って一番恥ずかしい。


あたしは少し赤くなりながら、そそくさと自分の席についた。








そして、その少し後に萌菜ちゃん達が登校してきた。


お喋りをしながら教室に入ってくる3人。


「あ、おはよう!」


あたしは出来るだけ明るい笑顔で3人に手を上げる。




だけど




3人はまるで、あたしなんか見えないみたいにそのまま横を通り過ぎていった。




< 94 / 488 >

この作品をシェア

pagetop