欲望チェリ-止まらない心






その後も

あたしはずっと一人だった。






お弁当も一人で食べた。


うちの学校は屋上が使用禁止。


ほとんどの生徒が教室か学食で食べるから…


逃げたくても行き場がなかった。


自分の席でぽつんとお弁当を食べながら


聞こえてくる3人の笑い声が、自分に向けられたもののように感じた。


常に周囲が気になって、恥ずかしくて、悲しくて…


顔もあげずに黙々とお弁当を食べた。


大好きなハンバーグが入ったお弁当なのに…


お弁当がこんなに冷たく無味に感じたのは初めてだよ。



理解できないのは萌菜ちゃん達だけじゃない。


周りの子達もあたしを避けていた。


なんでだろう…


分かんないよ。


あたし、何をしちゃったんだろう…


言い様のない恐怖があたしを包む。




今まで生きてきて、クラスでイジメとか経験したことがなかったあたし。


そんなあたしはきっと幸せだったんだろう。



チラチラ見ては

避けられる視線――…



無視なんて初めてされたから…


居場所がないことが、こんなにもツラいことだなんて…


あたし、知らなかった―――…





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