【完】俺様教師に愛されて。



「いやさー、たまたま数学準備室の前通ったら中から美加の声がするんだもん。俺、ビックリしちゃったなぁ。……で」


「義実は美加に変なこと言わないでくれる?」と言って、私を抱きすくめる腕に力を入れる。


「倉本先生、お願いします離して下さい」

「そうだ倉本、塩川を離せ」

「いーやーだー!」


ただをこねる子供のような言い方をして、倉本先生は私の首筋に顔を埋める。


「あと俺、義実にどれだけ言われようが絶対に美加を諦めないから。ずっと、これからも」

「でも……」

「義実」


真っ直ぐと、倉本先生が緒方先生の名前を呼ぶ。



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